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ダゲレオタイプの女のネットのレビュー・感想・評価

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.3
ふつう。なぜかわからないが、すごく表面的な映画に感じた。みんな生きてる感じがしなくて、ただ物語の駒のように見える。

男が死体を抱え上げるとき、死体の方の手が男の背中をグッと支えるのよね。こういう嘘を見ると「いま映画見てる!」という気分になる。
夕食を食べて、男が美味しいと言うだけのシーンは『クリーピー』を思い出す。風、カーテン、勝手に開くドア、揺れる電球、ここの食事シーンといい、記号の作家になりつつある印象。
固定器具のメタファーとしての女の背中のファスナー。
温室とか、ドレスの女性ロングショットとか『回転』そのまま。そこに『花子さん』をプラスする。ビニールカーテン越しのシルエット、ちゃんとまあまあ怖い。
唐突な老婆のシーンが一番良い。闇を凝視するシーンも。あと、視点が定まらないコンスタンス・ルソーの眼球。
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