るる

グリーンルームのるるのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンルーム(2015年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

ライブ会場がネオナチの巣窟で彼らを怒らせたせいでバンドマン達は楽屋に立てこもり…と言う概要を知ってから気になってたやつ。

ちょっと思ってたのと違った。

トウモロコシ畑に突っ込んだ車内で目が覚めて、ふたりで自転車に乗って、ガソリンを盗みに行く冒頭、うおー!なんだこれ、青春映画風味!と、かなりテンション上がった。
セリフの重なり、映像で語るバランスも上手い、巧い脚本だぞ、と。
緑に覆われた道を突き進んでいく車、嫌が応にもグリーンルームというタイトルを想起させて、期待感が高まった。

最初のライブハウス。そして、例の。

「ナチ・パンクス!ぶっ殺せ!ナチ・パンクス!ぶっ殺せ!」この、曲の、キャッチーかつ、ヒヤッとする感じ。

楽屋を覗き、死体を見つけ…えっ、えっ、えっ、なに!?

なかなか全容が見えてこないネオナチサイドのやりとりにモヤモヤが募るあたり、サスペンスとして良かったけど、ちょっと汲み取れない部分が多かったかも…ネオナチ=スキンヘッド、とか、説明はないので、結構、ついていくのに集中力が必要だった。

そのうえで、あ、これ、なんだ、サスペンス・スリラーというより、バイオレンス・ホラーなのね!? と気付いてから、ちょっと興味が薄れちゃった。人喰い犬って! そう思えばゾンビが出てこないゾンビ映画のようなもので、類型通り、展開結末はなんとなく読めてしまうわけで。でもちっともB級じゃない! ベタな話を複雑に、上手に撮ってる、監督が上手いんだなと。ハイクオリティな密室からの脱出映画を見られた! という満足感はあれど、

いかんせん、期待と違ったな…あまりにもあっさりと仲間たちが死んでいく、その呆気なさは良かったんだけど、ドラマ部分、あともう一歩、欲しかった気持ち。映画に求めるもの、好みの問題。

無人島に連れていくならバンド、本当に好きなバンド名を言うくだり、最後のオチ、気だるい虚無感、良かったけど。彼はひょっとすると、あのメンバーで無人島に行きたかったんじゃないかな、なんて。

アントン・イェルチェンの音楽映画、もっとたくさん見たかった、悲しい。
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