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グリーンルームのsignaldadaのレビュー・感想・評価

グリーンルーム(2015年製作の映画)
3.5
A24が配給を担い、監督は「ブルー・リベンジ」や「マーダー・パーティー」など人間が持つ暴力的な側面と病的な側面とをサスペンスやスリラー、さらにはミステリーなどホラー要素のすべてを用いて斬新に繋ぎ描く新鋭ジェレミー・ソルニエ。VICEマガジンにて監督のインタビューを読んでいた為、事前にある程度のあらすじを把握していたところで鑑賞。想定の範囲外をゆき振り切りまくった愉快痛快なハイテンション系バイオレンス。パンクスとネオナチ(敵対するギャング同士をイメージして頂ければ分かり易いだろうか)の抗争を当然音楽ベースで描いており、双方共に「衝動」だけで動く属性にあるが故の大惨事という裏設定はマニアを唸らすには十分過ぎるスクリプト。彼らという人間及びそれら音楽が持つジャンル特性を逆手に取ってみせた監督のアイデアは見事にハマっている。グリーンルーム(楽屋を意味する)に閉じ込められた密室クライムパニックは次第にバイオレンスの比重も大きくなり、スプラッター要素は無くもないが最後には殺人ゲームのような展開でさすがに笑う。fugaziのステッカーを貼ったバンドワゴンが現れたオープニングにぶちあがれば主人公達はデッドケネディーズの「Nazi Punks Fuck Off」を演奏したりなど、ハードコア好きには楽しすぎた。
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