よしまる

マーダー・オブ・キャットのよしまるのレビュー・感想・評価

マーダー・オブ・キャット(2014年製作の映画)
3.1
 ソールバス風のご機嫌なジャケ写につられて鑑賞。
 アメリカ西海岸の乾いた気候が画面にも表れたようなドライな作風、けれども出てくる人物はなかなかのねっとり加減という不思議な映画だった。サムライミの奥様が初監督ということで、ご主人譲りのオタク爆発なのか、逆にスタイリッシュなオシャレ満開なのかと期待してみたところ、いまいちどちらにも振り切れずw

 女性監督らしいロマンティックな表現は面白いし、何より主人公のダメさ加減、徹底したクズっぷりがもう気持ちいいくらいにウザいw
 男ならここまで酷い男は描けないんじゃないかとさえ思ってしまった。いや、女性はこの程度の男をそんなに酷いと思わないのかもしれないな。むしろかわいいくらいに思っているのかも。

 それはともかく、前半ちょっとかったるいくらいに細かな描写を積み重ねていったのに対し、後半から急に話が飛躍し始めて、話があちこちと大雑把になっていき、まあまあ雑い印象で終わってしまったのが惜しい。

 もっとも残念だったのは、この主人公が「自分は変人だ、でも嘘はつかない」と自ら口走ったこと。いや、おまえ散々ウソで塗り固めてきただろうに。だいたい自分のことを変人と言ってる時点で変人では無くなってしまう。それがコイツの成長の証なのだとしたら、いくらなんでも根拠に乏しい。まあそれを言うとヒロインが主人公に惚れるのも、悪役が急に弱キャラになるのも取ってつけた感が激しいのだけれど。

 ネコ映画かと思って期待したらまさかの冒頭から悲しいシーン、その後さっぱりネコは出なくなってしまってタイトル詐欺か!?と憤りかけたところで最後にキューンてなる結末が用意されていたので帳尻が合ってしまった。
 結論、許すw