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天使にアイム・ファインのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

天使にアイム・ファイン(2016年製作の映画)
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いじめに悩む少女、末期ガンに苦しむ女優、落選続きの候補者、進路に悩む高校生、目的を見失った俳優の卵に天使が救いの手を差し伸べる。 自分の境遇に絶望する人たちに愛と勇気を与えるハートウォーミング映画。
新興宗教「幸福の科学」の宗教映画。
悩む人に天使が導いていくというストーリーは、「ファイナルジャッジメント」に比べたらマイルドな感じだが、幸福の科学特有な偏った価値観を押し付ける作りに変わりはない。
例えば、末期ガンにかかった女優に「歪んだあなたの心が病気にさせている」と医師が言い放つシーンがある。幸福の科学の教えで、「母性愛に欠けた女性が子宮の病気になる」「人の意見に耳を傾けない人が耳の病気になる」など「歪んだ心が人を病気にさせる」「愛されていないと思っている心がいじめられる原因」などと歪んだ精神論を押し付ける姿勢は、幸福の科学のアンチ以外にも物議を醸している。
自分で努力して変えられる範囲と法律などを変えたり大きな力がいる範囲がある。自力本願な生き方の過剰な押し付けは、命の切り捨てに繋がる。それに、この映画の中の悩む人が新たな道に踏み出していくのに、天使はほとんど役に立っていない。はっきり言って悩みを持つ人の導きになるのは、美輪明宏さんや瀬戸内寂聴さんの講話の方が説得力がある。
幸福の科学の底の浅さが、良く解る映画。
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