ランボーでありたい

サウスバウンドのランボーでありたいのネタバレレビュー・内容・結末

サウスバウンド(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ド田舎南部のロードサイドを舞台にしたホラーアンソロジー。
「V/H/S」シリーズではファウンドフッテージ形式という難しい制約があったが、こっちは結構かっちりした作り。全体のトーンも一緒で正直見やすいのでこっちのほうが好み。

ダイナーを強襲する話で出て来る”主人公の妹”の言葉を額面通り受け取るならあの空間は罪人たちの煉獄(この世と”彼方”の境?)のような場所なんだろう。となれば何が起こっても不思議ではない。ループもドンと来いであります。

獣化を熱望するサバト一家、インスマス面のおばはんが出てくるダイナーのあれ、秘匿を破る瞳のタトゥー等々の興味深いモチーフ。そして、なにより死神風のアイツのデザインが「ブラッドボーン」に出てきそうなデザインだなとか、ラストの触手がもろに・・とか・・。
とど~もあの臭いがするぞと鑑賞中に思っていたがあながち間違っていなかった模様。スタンドの気だるい女店員の名前を、ジョン・カーペンターの大傑作「マウス・オブ・マッドネス」に登場するSFホラー作家サター・ケインからとってるっちゅうトリビアを見て確信。確かにあの世界で物知りげだったもんなぁ・・。少なからず重大なモチーフにはなってる。意義を唱える人もいるとは思いますが、僕個人はラブクラフト(クトゥルー)映画認定いたしました。(このシリーズはちょいちょいクトゥルーっぽい事している前科もある)ラリー・フェッセデンもウキウキでラジオDJやってるのも勝手に納得。

鑑賞後もアレはなんだコレはなんだと考えてしまう適度な(意地の悪い)情報の少なさ。啓蒙が高い人にはコスパ最強なんじゃないでしょうか。OPクレジットとラスト数分を削り、A-Bリピートしたら無限ループ完全版「サウスバウンド」も楽しめそう。点数高い気もするが、ぶっちゃけあれこれ考えるのがマジで楽しかったのでこんくらい。好き。

*2度ほど映るテレビの映像は「恐怖の足跡」。これも結構重要なヒントだったりした。とある事情を抱えた女性が、”謎のつきまとうオトコ”に悩まされるちゅ~お話だが、”死神”とこの”つきまとう男”の類似性を色々考えると面白い。つーか似たシーンも多い。