みおこし

キアヌのみおこしのレビュー・感想・評価

キアヌ(2016年製作の映画)
3.8
何気なく観てみたら、期待をはるかに超える傑作!!(笑)これはやられました!!
今やオスカーの呼び声も高い『ゲット・アウト』の監督ジョーダン・ピールと、相方のキーガン・マイケル・キーの全米で大人気のお笑いコンビが主演ですが、このキアヌという子猫が主軸に物語が進むので、事実上キアヌが主役。

ひょんなことからマフィアの揉め事に巻き込まれ、愛する飼い猫のキアヌを誘拐された2人の黒人男性が奮闘する爆笑コメディ。
クスッと笑ってしまう要素が盛りだくさんで、『ゲット・アウト』が好みだった方は、さらにジョーダン・ピールの作る笑いの魅力に浸れると思うので必見。
ジャケットからは想像もつかないかと思いますが、すごく平和主義者な黒人2人組が主人公なので、コメディには珍しく差別ネタや過激な下ネタが少なく、思わずこっちもほっこりしてしまうゆる〜い笑いの仕掛けの連続。何かを痛めつけたり、けなすことで笑いを取るコメディばかり最近観ていたから、何だかほっこりした気分になりました。
どこまでもお気楽で、ストーリーも鉄板ネタの連続なのですがそんなのが気にならないくらい、随所に挟まる小ネタがシュールで楽しめました。こういう優しい笑いがもっと増えたら良いなとつくづく思います...!
一番笑ったのは、壁を駆け上がって一回転のシーン。あの展開は誰も予想だにしなかったはず...(笑)。

主役から悪役までとにかく一貫して子猫への愛情はたっぷり、ここもまた微笑ましくて好き!子猫のキアヌも名演技で、とにかく観ているといてもたってもいられないくらい可愛い美人なネコちゃん。
変にCGを多用せず、ただ足元でじゃれたりウロウロしているだけなのがまたツボ。このリアリティもネコ好きにはきっと刺さると思います。そもそも子猫を救うために体を張って冒険するというお話を書く時点で、ジョーダン始め関係者一同絶対ネコが好きなんだろうなというのが画面を通して伝わってきます(笑)。

疲れた時にサクッと観るのにぴったり、視聴者の皆さんも作品と同じくらいゆる〜く平和に楽しむための作品だなと思いました。何かメッセージがあるのかな、と思ってボーッと観てたら、「コミュニケーションの大切さ」という素晴らしい終わり方。いや、あんなコミュニケーションで良かったの?!本当にどこまでも自由な作品...。(笑)

かなりオススメ、ぜひご覧あれ!
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