ヴェネツアについて(歴史の授業)の作品情報・感想・評価

ヴェネツアについて(歴史の授業)2014年製作の映画)

À propos de Venise

製作国:

上映時間:24分

2.9

「ヴェネツアについて(歴史の授業)」に投稿された感想・評価

ヴェネツィアと明示されていないがヴェネツィアなのだろう、河岸の木と枝が延々と長まわしで捉えられる。似た時間帯、あるいはまるで違う時間帯に全く同じ場所から固定ショットで繋げているため、長まわしであってカットは割られているという両義的な効果も生まれる。水の表情の豊かさもまた美しい。そこにモーリス・バレス(ストローブはよほどこの作家が好きなのか)の旅行記「愛と悲しみの聖地」の一遍「ヴェネツィアの死」第3章「アドリア海の水平線上に漂う影たち」の一節が読まれる。神話的な都市ヴェネツィアの重層的な歴史的記憶。ゲーテ、ナポレオン、シャトーブリアン、ここには登場しないがワーグナー(ヴェネツィアで客死した)、トーマス・マン、ヴィスコンティ(言うまでもない)、エトセトラエトセトラ…。頭と最後に自作の「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」のシーンが引用されるが、例によってこの意味はよく分からないが、味わい深い。そして最後の最後に河辺にセッティングされた椅子に座る朗読者とマイクが一瞬だけ映し出され、これが同時録音だと暗に提示される。