LEGION

僕らのごはんは明日で待ってるのLEGIONのレビュー・感想・評価

3.0
暗い男子生徒である主人公と同クラスの明るい女子高生が体育祭での出来事をきっかけに付き合うようになる。二人の大人になるまでの関係を辿った物語。登場人物のセリフの言い回しが食べ物を用いた比喩表現や食べ物と行動に対する感情の重なりを表現したものが多く、食べ物を題材にした文学的なものに仕上がってるように感じた。だからヒューマンドラマとしての要素が高まり、恋愛などの他の要素が弱まってバランスが取れてないように感じた。
心に傷を負ってしまった人や病んでしまった人を可能な限り治すことができる特効薬は人間なのだと感じた。主人公の「自分が明るくいるために君が必要」という思いは告白に対する概念を崩すような一歩遠くの視点から見た結果が生んだものになっていて面白かった。ただ2人の関係を見て感じたことはこれだけ。物語後半の主人公が「そうだったのか」と呟く場面は映画にのめり込んでいた感情が一気に冷めてしまった。何故視聴者に驚きを誘ったような演出をしたのかが理解できず、視聴者側からしたら「それしかないよね」という思いが強く、少し残念だった。ラストの盛り上がる場面では完全にネタに走ってるように見え、映画の冒頭から着実に積み上げてきたものが一瞬にして崩してるように感じた。映画の作り手と視聴者の思考の違いがかなりズレてしまい惜しい作品だった。
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