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嘘をつく男のMovingMoviesのレビュー・感想・評価

嘘をつく男(1968年製作の映画)
4.0
【すべてが語られる迷い道】
ボリスと名のる男が、深い森の中を逃げている。なにやら場違いな背広姿だ。追手の姿はなかなか画面のなかで交錯しない。まるで追われてもいないのに一人で逃げているかのようだ。
ジャン・ロバンという英雄のことを語りだす。男はカフェの給仕、ロバン家のメイド、妹、妻といった女性たちへ近づいているように見える。男は何者なのか、ここに来た目的は何なのか。
監督がアラン・ロブ=グリエというだけでも条件が揃っているのに、さらに題名に『嘘をつく男』とつけた作品に作中の現実がどれかなど求めてはいけないんですね、きっと。