ハヤシ

THE PROMISE 君への誓いのハヤシのネタバレレビュー・内容・結末

THE PROMISE 君への誓い(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジョージアを旅行した際に、日帰りでアルメニアを訪問した(陸路w)。そのときトルコによるアルメニア人虐殺の事実を知った。時間の都合で首都エレバンの虐殺記念館に寄らなかったが、気になっていたため鑑賞。

題材としては秀逸。当時のトルコ(オスマン帝国)の多民族性、イスタンブールの国際性
および西洋的エリートの存在は印象的。
アナが子どもたちへ『楽興の時第3番』(シューベルト)を流していたり。
また、当時の風俗を反映するような町並みや服装は自分にとっては目新しい。

だが、脚本や展開がもろにアメリカ映画のテンプレートで、全体が綺麗にまとまりすぎて中盤が退屈だった。恋愛要素を全面に出しすぎ。
これがもしアルメニア・西欧の合作だったなら、数段リアルでカオスな作品になったと考える。

アメリカにはユダヤ人と同様、アルメニア人コミュニティやそのロビー活動が活発らしいので、そういう背景のもとで本作が制作されたのかな。

直接は言及されていなかったけど、トルコ人がアルメニア人を迫害し始めたのは、青年トルコ革命(1908年)によってオスマン帝国(多民族)⇒トルコ(「単一民族」)へと国家観が変わり、アルメニア系が実質的に国民というよりも邪魔な外国人になったからか?それともその数世紀前から宗教の違いを始め、融和し切れてなかったのか?
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