ヒロシー

シラノ・ド・ベルジュラックのヒロシーのレビュー・感想・評価

4.0
『……さあ、取れ、取るがいい!だがな、貴様たちがいくら騒いでも、
あの世へ、俺が持って行くものが一つある!
神の懐へ入るときはな、俺はこう挨拶をして、
青空の門を広々と掃き清めて、貴様らがなんと言おうと持って行くのだ!
皺一つ、染み一つつけないままで!
それはな、わたしの……心意気だ!』

「素晴らしき日々 ~不連続存在~」をやってからとにかくシラノに触れたくて、ようやくレンタルした訳だが、この台詞(訳が違っているが)を実際にラストシーンで聞いたら涙が止まらなくなった。詩人である事はここまでストイックでなければいけないのか。シラノの口は止まらない。酔っているから。自分に、彼女に、そして世界に。心意気を決して失わなかったからこそ、彼の物語は今もこうして語り継がれている。

ジェラール・ドパルデューが最高のシラノを演じていた。個人的にはあと一時間長くても良かった。
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