垂直落下式サミング

東京地下女子刑務所 CHAPTER1・エリア88の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.2
樹花凛を主役にキャスティングしておきながら、鞭で打たれるシーンに嗜虐美が感じられないのは致命的。逆さ吊りから水責めまで何でもござれのSM女優に、脱げば誰でもいいような役をやらせるなんて、無駄使いにも程がある。本来なら団鬼六原作ができる女優だ。
ストーリーにも面白味がなく、主人公がずっと毅然とした態度を崩さないまま、刑務所内部の非人道的なシステムに順応していってしまうので、女囚ものの醍醐味であるはずの、気の強い女の心が簡単にへし折られる様子であるとか、理不尽な暴力に健気に耐え続けるエロスであるとか、そういった物語上の見せ場が限りなく薄い。
女囚同士のレズシーンがちゃんとラブラブエッチだったのでそこんところは嬉しいが、仲好しだったはずのレズ仲間まで薬漬けにして、可愛がっている後輩だけを守ろうとした挙げ句、自ら薬物漬けにした同室の全員を密かにドーピングしてパワーアップさせることで、集団脱獄しようとする目的のために手段を選ばない主人公の倫理破綻っぷりにドン引きしてしまう。
あと、コーラ男が不快。女囚が主役の映画で、変に男がしゃしゃり出てこないでほしい。