カッチェ

アウトブレイクのカッチェのレビュー・感想・評価

アウトブレイク(1995年製作の映画)
4.1
感想①「1995年の映画だが今観てもその怖さは圧倒的」
エボラ出血熱、結核、SARS、MERS、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、ジカウイルス感染症、テング熱、麻疹…最近でも世界中で感染症のアウトブレイク(爆発的な感染)やパンデミック(世界流行)が報道されるので、1995年製作と昔の作品ながら今観ても古くさく感じません。
私は何度か観てますが怖さが薄まらない。何回も観るような題材じゃないはずなのに、その完成度から何回も観返したくなるような作品です。

感想②「たった1匹のサルの密輸入により地獄が始まる」
海外旅行で知らぬ間に感染し、帰国した1人が原因で日本でもここ数年、感染症によるパニックが起きてるような気がします。この映画では、アフリカから密輸入されたサルたった1匹の為に地獄が始まります。
サルが密売人の顔に水を吹き掛けて1人目の感染。ペットショップに売りに行き、そのサルがオーナーの腕を引っ掻き2人目の感染。またそのペットショップで感染源のサルが食べ残していたバナナを別のサルが食べてしまい2匹目の動物感染。
密売人は凶暴だからと売れなかった感染源のサルを森へ放し、待ち合わせしていた彼女と挨拶のキスをした後に倒れ3人目の感染。またちょっとありえないミスだが、ペットショップのオーナーが担ぎ込まれた病院の検査技師が、不注意で採血スピッツを壊しその血液を浴びて4人目の感染。その検査技師が夜にデートで映画館に行きそこで頻繁に咳き込むことで飛沫感染を引き起こし、アウトブレイク(爆発的な感染)が始まるという負の連鎖。

感想③「モターバ・ウイルスが架空のままで終わってほしい」
劇中に登場する架空のウイルスの名前は「モターバ・ウイルス」。エボラ出血熱によく似ており、高熱・全身や消化管から出血し内臓を融解させてしまう恐ろしいウイルス。その致死率は100%で、感染から24時間以内に死亡する可能性が高い。最初は体液感染・飛沫感染のみだったモターバ・ウイルスですが変異し空気感染する事態に。現実にはこれだけの感染力と致死率を持ったウイルスは存在しませんが、観てるだけで震えてきますよ。
主人公のサムの「大したヤツだ。人間の10億分の1のくせに、我々を食い尽くす力を持っている」という台詞が印象的。10億分の1の顕微鏡で見ないと分からないような存在に脅かされる人類。モターバ・ウイルスが架空のウイルスで終わるという保障が100%ないのがなにより怖い。

感想④「バイオハザード」
「アウトブレイク」は1995年製作。そしてあの伝説的ゲーム「バイオハザード」が発売されたのは翌年の1996年であり、ゲーム内の舞台は1998年。秘密裏に研究されていたウイルスが漏出し、そのウイルスに感染した生物が怪物化(ゾンビ化)してしまうバイオハザードとは内容が違うかもしれませんが、衝撃的なあのゲームが発売される1年前に「アウトブレイク」が世界中で大ヒットしていたのは感慨深い。

感想⑤「豪華すぎる出演者」
主演は「卒業」「クレイマー、クレイマー」「レインマン」の名優ダスティン・ホフマン。2011年にまた映画復帰した「ゲット・ショーティ」「トーマス・クラウン・アフェアー」のレネ・ルッソ。
この人が出てる作品なら大丈夫という絶対的な安心感がある「ショーシャンクの空に」「セブン」「ミリオンダラー・ベイビー」のモーガン・フリーマン。個性的で演技派と言えばまず名前が出てくるであろう「ユージュアル・サスペクツ」「セブン」「アメリカン・ビューティー」のケヴィン・スペイシー。キーファー・サザーランドの父であり、どうしても悪役のイメージが強くなってしまう名優ドナルド・サザーランド。
「ザ・エージェント」でアカデミー助演男優賞も獲得したキューバ・グッディング・ジュニア。恋愛映画の出演が多くなってきた「魔法にかけられて」「近距離恋愛」のパトリック・デンプシー。オリバー・ストーン作品やその他の作品でも軍人役といえばこの人、ベトナム戦争で戦闘に参加した退役海兵隊員でもあるデイル・アダム・ダイ。もうお腹いっぱい。

感想⑥「実は最初からクライマックス」
開始4分までの展開がトラウマ。映画が始まって4分観ただけで、ああこの映画は絶対面白いだろ!!という気持ちになります。
カッチェ

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