このレビューはネタバレを含みます
よかった。オーソドックスに、押さえるべきとこは押さえたストレートな映画で、見ていて快かった。
あとやっぱりこれはノンフィクションだという頭があって見ているからか、グッときます。
天才同士の契りともいうべきシーン。その後の最後の対局後ふたりが流した涙はどんな意味があるのか、意味深長さがニクい。
松山ケンイチの存在感、あらためて感心しました。東出くん、松ケンのそれぞれの役に似ている角度の追求がすごかった。監督のこだわりを感じた。
リリー・フランキーの胡散臭いおっちゃん役はもう食傷気味で一瞬またかと思ったが、破天荒な村山を支える心の師匠をサラッと演じていてステキだった。
弟弟子役の染谷将太の関西弁うますぎ。耳がええんかな。
東京で村山を支えてくれた橘役の安田顕の穏やかさ、レアで嬉しいしほのぼのした。榎本はじめ微妙な表情上手いひとばかりでよかった。
その中でもっとも気になったのは常に思いつめた表情の竹下景子。存在感がものすご濃い〜けど、演技はサラッと演出されてる。
竹下以外、全体そうだったけど泣きの演技で寄らない。アレ?いま涙流れた?くらいの感じ。それが好みだった。
雪景色にたたずむ松ケンのシーン、美しかった。その後渡り廊下を歩く対局直前の闘志みなぎるシーンではグイッと顔に寄って見せてくる演出がいい。
礼儀知らずで目上の人間にも暴言を吐く村山が、その強さで有無を言わせず我が道をいく姿は痛快であった。