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君がくれたグッドライフのodyssのレビュー・感想・評価

君がくれたグッドライフ(2014年製作の映画)
3.2
【尊厳死を認めるか否か】

 ドイツ映画。
 長距離サイクリングを毎年楽しんでいる仲間6人(夫婦も2組含む)。目的地は持ち回りで決めていた。
 或る年、目的地を選ぶ番になった30代の夫婦ハンネスとキキは、ベルギーを目的地と定める。

 実はハンネスは治療不可能な難病にかかっており、ドイツは安楽死(尊厳死)を認めていないが、ベルギーでは認められているから・・・というのが行き先決定の理由。
 仲間たちは途中で事情を知らされて驚愕するが、やがてハンネスを支えようと・・・

 安楽死(尊厳死)の問題と、それを受け入れようとする三十代の男、そしてそれを支えようとする妻やサイクリング仲間の物語。

 サイクリングの途中であらわれる風景やさまざまな人物も、悪くない。
 難病の夫を支える妻役のユリア・コーシッツも魅力的。

 テーマは重いけれど、深刻になり過ぎず、尊厳死をめぐる各国事情や人間模様を淡々と、しかししっかりと描き出している。
 
 日本は今のところ尊厳死を認めていないけれど、超高齢化社会になっているのだから、他人事ではないのである。
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