監督・脚色をクリスティアン・チューベルトが務めて製作された2014年のドイツ映画
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余命わずかと申告された主人公が尊厳死をするためにドイツからベルギーへ向かう。最期の思い出に妻、弟、親友達と自転車でベルギーを目指すといったロード・ムービー
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自転車旅行のロード・ムービーって珍しくていいなあって思ったら、テーマが尊厳死でヘビー。本人も家族も仲間も誰も死を受け入れられないまま旅は進む。そりゃそうだ。主人公は36歳。死ぬには早すぎる。進めば進むほど別れが近づく旅なんて切ない
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でも仲間と過ごす最期の旅は笑いもあったり、主人公の胸に刻まれていく。死を迎える者と遺される者の意見が合うわけないから、尊厳死の是非もなんとも言い難い。結局、自分がその立場にならないと分からない問題だ。少なくとも遺される側だったら耐えられる気がしない
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ドイツ映画なのでドイツの俳優ばかりであまり知らない俳優さん達だけど、主人公とその妻を演じた2人なんか演技が上手い。日本はおそらくアメリカ映画を大量に見ている国だけど、ヨーロッパも国によって特徴が違って面白い。ドイツ映画は輸入量が少ないものの、記憶に残る作品が結構あるしレベルが高い。これもなかなか心に響く作品だった