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君がくれたグッドライフのcocoのレビュー・感想・評価

君がくれたグッドライフ(2014年製作の映画)
3.7
ALSについて描いた本作。
ALSになった本人はもちろん、彼の家族や友人についてもしっかりと焦点を当てて描いているなと感じました。

自転車でベルギーまで行こうと計画して友人と旅を始めたハンネスだが、彼の体はALSによって思うように動かなくなりつつあった。
彼は病気のことを仲間に告げないまま、ベルギーで安楽死しようと考えていた。

とにかく周りの仲間達が強いです。
精神的にきつい展開であるのは間違いないのに、何事もなかったかのように楽しく旅を続けていて、私がハンネスの立場ならありがたいと思うくらいです。

そしてみんなにそれぞれ旅中に"課題"という名のバカなミッションが与えられ、それに取り組む姿を観ているとALSを題材にした映画とは思えないほど明るくなり、時には笑ってました。

さっきレビューを書いた『奇跡の教室』もそうですが、一見重くなりがちなものをテーマとした映画はどこかに明るい要素が無いと観るのはきついですよね。
まあ、ずっと重たくて暗い映画も観ますし、嫌いではないんですがね笑

最後にみんなで交わす静かなハグがとても印象的で、美しいとさえ感じました。
海がすぐそばにあり、心地よい風が吹き、陽の光が部屋の中いっぱいに入り込む空間で自分の意思で迎える死はもしかしたら幸せな死に方かもしれないなと思いました。

1年後のシーンも素敵でした。
彼の遺言を達成したり、みんなであの地を再び訪れたり、と彼のことはずっと心にあるんだなと感じました。
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