パリのオペラ座で主役を夢見る歌手のクリスティーヌ。
彼女は楽屋の壁の中から聞こえる声に、歌の指導を受ける。
オペラ座では、実力を伸ばす彼女に有利になるよう奇怪な事件が多発し、遂に彼女は主役へと登り詰めた。
成功を手にした彼女は、遂に壁の中の男と対面するが、現れたのは仮面をつけた怪人であった。
『オペラ座の怪人』初映画化作品。
サイレント映画の傑作、ホラー映画の秀作といわれる映画。
「千の顔を持つ男」のロン・チェイニーが怪人。
モノクロでサイレントです。
つまり台詞聞こえないんです。
役者が口をパクパクさせてるんです。
でもちゃんと字幕はあるんでご安心を。
それに物語が面白いのはミュージカルに取り上げられたり、リメイクされた映画の数でも分かる。
色彩がなく、音もピアノと弦楽の繰り返しという、ある意味退屈と思いますが、その分観た方なりの『オペラ座の怪人』を感じることができるかと思います。
そしてセットも衣装も豪華だった。
オペラ座の怪人がクリスティーヌを秘密の部屋に連れて行く場面は、ゴンドラはもちろん馬まで使われていた。
また基本的に白黒映画だが、仮面舞踏会のシーンだけはカラーだった。
ロン・チェイニー扮する怪人のメイクと演技はやはりすばらしい。
当時、映画見て失神した人がいるという怪人の顔は確かに…怖い!
それから原作に出てくるいろんな仕掛けを、ものすごく頑張って再現してあるのも好感が持てた。
ただラストシーンが、途中でぶちっと切られたかのようになっているのがマイナスポイントです。
「え!?これでおしまい!?」といった感じで。
また、ファントムのマスクのデザインはいただけない。
冗談かと思った。
ともあれ、物語のおさらいには最適だし、怪人が怪人らしい演出なので、ホラー好きにはおすすめ。