マホガニー

拳闘試合の日のマホガニーのレビュー・感想・評価

拳闘試合の日(1951年製作の映画)
3.3
キューブリック記念すべき処女作

内容は普通のニュースドキュメンタリーである
往年の作品の様な特徴的な画はまだない

だが少し考えてみてほしい。当時23歳の映画監督を志す若者が、なんとか140万円集めて初めて自分の作品を作るぞ!となった時、この映像を作るだろうか。
自分なら「これが俺の作品じゃい!」という自己表現の作品を作ろうとするだろう。

しかし、キューブリックは140万かけて多くの作業を1人でこなし、この冷静なドキュメンタリー短編を作った。
そしてしっかり144万で映画会社に売った。それと同時に、自分の映像制作の腕をアピールすることにも成功し、映画監督としての着実な一歩を踏み出しているわけである。

なんと冷静な将来設計。本作で一番関心したのはこの事実であった。恐るべし若者。