<概説>
歯科助手のチャップリンの腕前はそれはもうひどい。意味不明なガスを患者に処方するし、いざとなれば暴力沙汰とやりたい放題。そんな彼のとある一日の勤務風景を撮影したサイレントコメディ。
<感想>
Laughing Gas…Laughing Gas…?
妙に聞き覚えのある原題ですがそれもそのはず。
あのジョーカーの兵器そのままの名前なんですから。
たしか昨年の『JOKER』の監督インタビューでもチャップリンの名前が上がっていたはずですが、そんな現代との関連で見てみれば実に納得。
一般に喜劇王とされてるチャップリンですけれど、この映画の内部の彼の素行は喜劇王というより犯罪者そのもの。
殴る。蹴る。問題のガスはあからさまにヤバイ。
チャップリン≒ジョーカーと直結させる訳にはいきませんけれど、彼の原型はきちんとあの名悪役の中にある。
なんだか映画史という潮流の偉大さをしみじみ感じる作品でした。いえ本来笑うべきなんですけれど。しみじみしてしまうと笑いと縁遠くなってしまいます。
いっそ院長をいきなり銃撃してくれたら笑ったかも?