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スイス・アーミー・マンのsebaloveのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
2.0
ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフが死体役で熱演(怪演?)してました。小学校低学年男子が喜びそうなオナラ、下ネタがっつり、半ケツあり。体はってます。

ダニエル・ラドクリフはなぜこのエキセントリックな役を?と疑問に思いながらぼんやり映画を観ていたのですが、そこで浮かんだ言葉が「余生」でした。失礼な表現ですいません。

以前に何かの雑誌で読んだ漫画家さくらももこについての文章で、若くして大ヒット作に恵まれ、莫大な収入と名声を手にし、すでに「人生の上がり」の状態にある彼女は、生活のためにガツガツ働く必要もなく、のんびりと好きなことだけをして暮らしていけばいい。現在は長い余生を生きているようなものである…というようなことが書かれていました。
なかなか失礼な書き方ではありますが、ただ内容が全くの間違いという訳でもない。少なくとも生活のために必死で働かなければいけないということはないかな。それで彼女が満足かというと、それは違うのではと思いますが。

ダニエル・ラドクリフはと言えば、世界規模で大ヒット作となったハリポタに出演し、知名度でも収入でも、さくらももことは桁違いにスゴいだろうから、彼女以上に生活のため映画に出演する必要はないのではないかと思います。凄い浪費癖があるとも聞かないし。

ただエマ・ワトソンが順調にキャリアを積んで「ハリポタの」という枕詞を必要としなくなりつつあるのに対し、ダニエル・ラドクリフにはいつまでもその言葉がつきまとう。
役者としてそれを乗り越える為に、あえてこんなエキセントリックな役にも挑戦しているのかな、余生を生きる余裕の中で。というのが下衆な庶民の感想です。

結局この映画も「ハリポタの」ダニエル・ラドクリフが主演という売りを必要としていると思います。死体というものにインパクトはあっても、その演技は熱演以上のものではなく、体をはってるけどそれが特別プラスには働いていないようにみえます。。
彼はどこを、何を目指しているのでしょう。
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