まめこ

スイス・アーミー・マンのまめこのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.5
物言わないメニーにハンクが自らを仮託している事は、終盤ハンクが間違って「メニーさん」と呼びかけられているシーンを挿入してる事からも明らかですが。
メニーというもう1人の自分を立ててのひとりグループセラピーというか、認知行動療法の様相を呈し始めて、監督の心理状態が少し心配になりました。
しかも終盤の周囲の人々の蔑む視線のシークエンスはすごいですね。監督さんは露悪趣味というか、ドMかな。

歌でも小説でも映画でも、表現者が生み出した創作物はおしなべて彼らの中の澱なんだと思ってるので(喜劇悲劇問わず)、あそこまで直截に澱を吐き出してるスイスアーミーマン、私は好き。
あ、劇伴のセンスも素晴らしいし(ジュラシックパーク含め)、光のゆらぎの表現が美しいし、完全な出オチ設定かと思ったら最後までちゃんと引っ張る物語構成力もあるし、よくできてました。
何よりポールダノ子ちゃんすげぇ可愛い。
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