センス・オブ・ワンダーな北野武的(『北野ファンクラブ』的)ギャグで哲学映画。実にくだらない。
発想も映画化させるプロダクションも凄い。
そもそも映画はフィクションであるのだが、これはタイトルバックでジャケットの映像にあるとおり、死体がスイスアーミーナイフという設定で、フィクションにも「ほどがあるだろ」というものだ。
だが、主人公と(これが、いつも異常な役をやっているポール=ダノ)、スイスアーミーナイフな死体がサバイバルしていくうちに、愛情もしくは恋愛感情が芽生えてくる。
そしてシモネタの王道「うんこ」と「おなら」だ。
その意味まで考えさせる。人との関係性まで。
と、いいながら本質はくだらないコメディという構造が凄い。
観終わるまで何が起こるかわからないし、スリリングな映画だった。