よし

スイス・アーミー・マンのよしのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
4.3
聴くのならヘタクソな歌より上手な歌を聴きたい。そしてその素晴らしさに感動したい。人前で下手な歌を歌ってもだからヘイトを集めるだけ。ましてやオナラの音なんて誰も聴きたがらない!!
しかしこの映画はとびっきりのオナラ推進映画だった。
ちなみに推進はダブルミーニング。(?)

下品で汚くて子ども向けギャグ漫画みたいなシーンが沢山。
だけどそれらは無人島でサバイブする彼に生きる希望を示すなんともパワフルなものばかり。自然大きくなる笑い声。バカ笑いとはまさにこのことだ。楽しくて仕方なかった。まだまだ生きていけることが。
そして感動的に美しい。楽しそうな一人と一個。
ラドクリフさん渾身の死体役です。

爆笑で終われるとばかり思っていたので最後の展開はとても苦しく、だけど少数派が必ず正しいというのはフィクションがかけた呪いで、やっぱりどちらがおかしいかと言われれば...ということもあり、悲劇とも言えず、だけど蔑むような目線には迎合したくなく、ただただ笑ってやってほしい。
それでこそ、無様にオナラした甲斐があるというものなのかもしれない。幸せになるのはいつも男前の方だとしても...。
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