河豚川ポンズ

パワーレンジャーの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

パワーレンジャー(2017年製作の映画)
3.8
正直思っていた以上にスーパー戦隊していた映画。
海外でも人気のあるシリーズとはいえ、一体どんな雰囲気になるのかずっと気になっていたこの映画。
色々忙しくて全く映画館に行くことが出来ていなかったのですが、なんとか見に行くことが良かった。

高校のアメフト部のスター選手であり将来を期待されていたジェイソン・スコットは、自分が起こした事件をきっかけにその道は閉ざされ、毎週土曜の土曜の補習に通うことになった。
彼はそこで出会ったビリー・クランストンと親しくなり、放課後に郊外の採掘場に連れていくよう頼まれる。
そこで2人は同じ補習クラスのキンバリー・ハート、そしてたまたま居合わせたザックとトリニーと出会い、彼らは崩落した崖の中から光るコインを手に入れる。
コインを手にしたことをきっかけに彼らは不思議な変化を体感する。
そしてそれにより彼らは大きな戦いに巻き込まれることとなるのだった。

海外で一番最初にテレビドラマとして放映されたのが、日本の「恐竜戦隊ジュウレンジャー」を元にしたものだそうで、この映画もそれに倣ってロボットたちは恐竜モチーフになっています。
そしてお約束の合体もしっかりやってくれます。笑

予想通りと言えばその通りなんですが、普段の放送と違って2時間強も尺があるので、彼らがどうして戦うのかとか、どんな悩みを抱えているのかとか、変身するための試行錯誤にかなりの時間を割いてます。
監督のディーン・イズラライトは前作の「プロジェクト・アルマナック」から、いわゆる青春ものを撮るのが非常に上手だった上、今作はかなりテンポやストーリーの緩急に気を使っているようで、全く間延びしたような感覚はありませんでした。
ネタバレは控えたいのですが、正直に言えば変身や戦いは本当に最後の最後までやりません。笑
でもよくよく考えれば日本版でも海外版でもそうですが、30分とか1時間の尺の、なんか見つけた→俺たち選ばれたっぽい→街が危ないから勢いで変身してしまえ!って黄金パターンは結構ムチャしてるストーリーにも思えてきます。
その意味で、この映画がティーンエイジャー特有の悩みだけでなく、自閉症やLGBTや人種問題とかも盛り込んであることもあるのですが、しっかりとその辺りに時間を割いて描いてくれたのは、とても丁寧で良いと感じました。

その一方でラスト付近の戦闘シーンは、今まで焦らしに焦らした分を全部清算するがごとく怒涛のバトルが始まります。
戦隊ものっぽいカットや戦闘シーン、お決まりの怪人巨大化、そしてそれに対抗してこっちも合体と、まさに「いつもの」やつです。
合体はもっとこうメカメカしく変形しつつといった感じなのかと思えば、ほとんど勢いでこなしてますし、必殺技も武器とかそんなのじゃありませんし、とにかく熱量で乗り切った感がしてとても好きです。笑

前半まで見ればリブート版の「ファンタスティック・フォー」に近いものを感じるのですが、上手くやっていればこんな映画になったのかなと思うとあれには悲しいものがありますね…
どうやら続編もやる気満々なようですが、中国での興行不振を見ると夢に終わりそうで怖いですが、1以上に面白くなりそうだと勝手に期待しているので、ここはなんとか頑張ってほしいですね。