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パターソンのMavのネタバレレビュー・内容・結末

パターソン(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジム・ジャームッシュ監督といえば個人的には日常的なシーンを撮っている中で、非日常的演出をする監督だと思っているが今作でもやはりそのイメージは変わらない。

今作は夫婦の一週間を夫目線で描いている。その中で1日1日の移ろいは感じられやすく、比較的わかりやすい(例えば置いてある本が変わっていく、同じソファに犬が座るが、やはり毎日同じではない)。
伏線っぽい演出をしたにも関わらず、拾わないところも非常に現実的だ。

その一方で現実で起こりえないすごく微妙な演出、シュールな場面もある。例えば途中で「ワンジャックに気をつけろ」と忠告してくる若者四人組が走り去る場面、道路の両側に停めてある車が主人公が歩いてる場面より随分多い。もちろん、普通にあり得る景色なのかもしれないが、それにしても夜中にそんな多く車が停まっているだろうか?もっと言えばそもそもバス運転手もまた非日常的な視点で、道路を車で走る際に一般車以外で運転すると意外と高い目線であることがわかるし、度々出てくる双子の演出も非日常的で何か意味するところがあるように思わせる。音楽もどこか夢心地のように感じさせるものだった。


普段の生活のシーンはたった一週間だが、彼にとっては大きな変化を迎える。
今まで無かったこと(妻に携帯を持てと言われる、バスの故障が起きる)が起きていく。
最後にはどれだけの時間と情熱をかけたかわからないものが壊されてしまう。しかし、それでも次の日はいつものように過ごしていく。パターン化された日常の中にパターンとは関係のない出来事によって、今後の人生がどう変わっていくのか。
自分達の人生でもそのように考えてみるとなかなか興味深い。やはりある程度パターン化されている人生であり、そのパターンの中の小さな変化が次のパターンを作り出していく。このようにこの映画は変化を伴ったパターンがパターソンに襲いかかりパターソンを再形成しパターンをこなしていく中でパターソンがパターンをパターソンしパターンしていくことで人生のパターンをパターソンがパタンパタンしていく…

そんな映画でした。ふざけてすみませんでした。
個人的な楽しみ方は、シュールなシーンを探すことでしたが、途中寝ました。
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