前作が微妙だったのでどうかと思ったが面白かった。
反復と差異を細部でしっかり描写すれば映画になる。
白黒、円の主題も散りばめられていただろうか。
日常の繰り返しから細部の差異を抜き出してくる視点は、作中引用される「詩」を書く際の視点とも共通している。当たり前のように思える日常の繰り返しを、新しく捉え直して、見方によってはこんな魅力もあるのだと提示する。ジャームッシュはそれを狙ったな、と。
何はともあれ、犬への演出と、恋人、バスの女学生、若き詩人に至るまで女優陣の趣味の良さ。歌が2シーンも入るのは嬉しいね。