日々の積み重ね、毎日を慈しむこと。
特別、何も起こらない日常を切り取った映画がこんなにも面白くなるなんて。
ささやかで、なんの変哲もない繰り返しの連続の中にも、必ず同じものはなく、かけがえのない今を生きているんだなと感じることが出来る。
それは誰でも同じ。どんな人の人生でも、退屈でも平凡でも、毎日が新鮮で、人間らしい、豊かさを形作ってるんだと思った。
パターソンという街で、パターソンという名前のバス運転手の1週間を写す。彼の趣味の詩も挟みながら。この詩が面白い。どのシーンも愛おしいが永瀬正敏が登場してパターソンと話すシーンが好きだ。
ジム・ジャームッシュはいつでも独特で、時代が変わっていっても、ブレない視点で、何気ないもの、ことも、ありふれた日常の中にも、輝きが溢れていることを教えてくれる。
そして、そこはかとない心地よさに浸っていたくなる、味わい深い映画を作り上げる。
