Ginny

パターソンのGinnyのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.2
良い余韻が残る映画。

行間を読ませるような感じ。
大して代わり映えのしない毎日をまるでルーティンの様に繰り返すけど 大概私みたいな一般人はそうだし 人によってはその繰り返しの毎日が愛しい。私はそうだから この映画は心地良いものがありました。

アダムドライバーは 過大評価されてる俳優のイメージを持っていましたが 終盤永瀬正敏が出た時にアダムドライバー良かったんだ!と気付きました。
永瀬正敏、英語は上手でびっくりしたけど演技が……
喋ろうとする、動こうとする、演技をしようとする筋肉の一瞬の動きというのかな。それが不自然にあらわれてました。
今まで画面に出ていた人たちにはなかったから 浮き彫りに見えた。
それに比較してアダムドライバーは静かに自然に『パターソン』という人物になりきっていて良かったなあと。

天真爛漫な奥さん。趣味嗜好が合わない様な2人に見えて 愛しく思い合ってる様が 見ていていじらしい。
陽の光や日の暮れ方 ネオンなど美しい。
マーヴィンと言う名のブルドッグが可愛い。

木曜日 目が覚めた時から パターソンの目線で寝室のベッドからの景色や通勤の空をうつすっていうのにトキめいた。
月並みな言葉だけど 同じ日も同じ瞬間もなくて毎日がかけがえないんだなあ。

ほっこりした。

詩を訳すのはレインコートを着て雨に打たれる様なもの?ん?セリフ忘れたけどそんな様なこと言ってた。
その通り。
だから私はハリーポッターは原書で読む。
でもそのセリフでたら字幕で見てる私たち…ってなりました。
認知言語学というものがあり ただ言語の文法とかを勉強しても理解できない部分があるんだよね。そこを埋めようと勉強するより 知らなくても 溺れた方がいいと思う。
私も英語よくわからないけど ハリポタは原書を読んでボロボロ泣けた。
他人を介在せず 著者の言葉をそのまま浴びたと感じた。

脱線しましたけど 英語で読んだよ凄いでしょとかではなく 自分の好きなものを 自分のルーティンの生活の中で愛でて 派手な活動はしなくても続けていく。
私はそうで パターソンに近いものを感じて心地よかった。

想像していたのはもっとライトに日々を描くものだと思っていたから音楽がアンマッチと感じたけれどあえて 独特の世界観と感じたらそれはそれで面白い。
Ginny

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