この作品に出て来る登場人物は、みんな自分で好きなものがある。
主人公のパターソンは詩を愛し、その妻も料理やギターなど、様々な趣味を楽しんでいる。
パターソンの行きつけのバーのマスターはチェスを好み、偶然出会う男はコインランドリーで洗濯が終わるのを待ちながらラップを楽しむ。
譲れない趣味や好きなものがある私にとって、これほどまでに共感できる人々を画面いっぱいに眺めることができるのは、とてもしあわせなことだと感じた。
バスの運転手として生活しながら詩を書いているパターソンのように、私自身も日常を過ごしながら常に好きなことについて考えていて、その思考はいろんな気づきに溢れてて。
己の好奇心に抗えない者にとって、これほどまでに共感できる物語はないな、と思った。
この作品に出会えたことを幸せに思います。