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パターソンのspacegomiのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.8
愚直に「反復と差異」を積み重ねる姿勢は韻を踏むような詩表現にも通ずるのだろうか。やや浮世離れしたアダム・ドライバー演じるパターソンが目撃する出来事やそこで出会う人々は、どこか既視感を覚えつつも毎日少しずつ異なる。淡々とした日常というには金曜日と土曜日の出来事はあまりにもドラマチックで、映画の転調に一役買っている。強烈な印象を与える双子のイメージや、パターソン(アダム・ドライバー)とパターソン(地名)の関係を考えれば,これはひょっとして幽霊映画なのではないかなんて疑問も浮かび上がる。構図でみせる差異の巧さに唸るもよし、美しい詩のリズムや叙情に身を委ねるもよし、とにかく贅沢な映画だ。劇中、パターソンたちがレイトで見ていた『獣人島』(1932)がとても面白そうだった。