このレビューはネタバレを含みます
好きか嫌いかと問われれば、迷わず答えます。
大好きだぁぁ‼︎
非常に内省的な作品。
ジム・ジャームッシュ監督といえばやはりロードムービー。
本作もそのテイストは見事に息づいている。
ただし路線バスの周回ルートでの旅ね。
なので大事件が起きるわけでもなく、非常に淡々と物語は進んでいきます。
あ、バスがエンストするアクシデントとオモチャの銃で自殺未遂する事件、ノートがビリビリ事件はあるか(笑)
とにかく変わりばえのない、でもよく見れば少しずつ違う毎日の機微。
そんな日々の機微を淡々と描いていく地味な作品。
なのに全く飽きない、飽きないどころかずっと観てられる‼︎
いや、ずっと観ていたいと思わせてくれる素晴らしい作品。
変わりばえのない日々の機微から紡ぎ出されるパターソンの書く詩が、独特の不思議な空間を生み出していて心地よいんです。
作詩しているパターソンの内なる声と音楽、光景、流れ。
幻想的な彼の詩の朗読は、日常とは別の非日常的な美しさに満ち溢れてます。
行きつけのバーで繰り広げられられる会話劇も『コーヒー&シガレッツ』的で味わい深い。
そして、本作においてのアイドル的キャラがパターソンが飼ってるブルドッグ犬のマーヴィン‼
帰宅する度に、庭先のポストが傾いていて、毎回ポストの傾きを直してるパターソン。
そんなポストの傾き事件の犯人がコイツ‼︎
思わず「お前だったのか⁉︎」と笑いが止まらない‼︎
そして、パターソンが詩を書き溜めた大切なノートを...(笑)
更に特筆すべきはアダム・ドライバーの演技力‼︎
とんでもない次元に達してます。
永瀬正敏とのベンチでの会話も素晴らしい。アーハートーク(笑)
これぞ映画‼︎
これぞジャームッシュ作品の真髄‼︎
本作は僕にとって本当に大切な、大切な映画になりました。