回想シーンでご飯3杯いける

パターソンの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.5
"カイロ・レンじゃない"アダム・ドライバーの魅力!

「フランシス・ハ」のレビューで書いた通り、アダム・ドライバーには初期ジム・ジャームッシュ作品の常連だったジョン・ルーリーに似たクールな魅力があると思っていたんだけど、やはりジム・ジャームッシュも目を付けていたようで、こうやっていきなり主演でキャスティングしてきた。

舞台はニュージャージーのパターソン市。アダム演じるバスの運転手の名前もパターソンで、趣味は詩を書く事。そんな彼の1週間を描いた作品で、他のジム・ジャームッシュ作品同様、やはり"何も起きない"のだが、パターソンが綴る詩が、何でもない1週間に絶妙な陰影を与え、街の空気に吸い込まれるような感覚を覚える。愛妻家のパターソンと、何でもペイントしてしまう奥さん(こういう女性って好きです)と、悪戯好きの愛犬による日常が、とても愛おしく、美しく感じられ、観ていると心が洗われるようだ。

後半には、ジム・ジャームッシュ初期作品に出ていた永瀬正敏が登場。ああ、そう言えば、この人もジョン・ルーリーやアダム・ドライバーと同じ面長だ。ジム・ジャームッシュの男優の好みが分かったような気がした。