このレビューはネタバレを含みます
フラットな中にある微細な凹凸を感じさせるジム・ジャームッシュらしい作品。
お約束のイギーとストゥージズもね。
ギミー・デンジャーもヨロシク😊(笑)
バスのフロントガラスや街のショーウィンドウに映るパターソンの街。たくさんの景観が美しく切り取られていて、目を楽しませてくれます。
月曜日から始まり、月曜日で終わる。
循環と変化、繋がりを想わせる作品。
虚ろに続く日々に、何も変わらない…なんて考えたりしますよね。でも最初の月曜日の彼と最後の月曜日の彼は違ってる。映画を観る前の私と、観た後の私が違うみたいに。
度々現れる数組の双子…でも、月曜日の夢の暗示がなかったら、双子たちに目を留めていましたかね? これが今作の妙味かも。
いつも傾いてる郵便受け…とかね(笑)
そこにあるはずなのに、時に見落としている何かの存在。
秘密のノートが破かれて、ボロボロになって、詩はカケラになってしまった…
だからこそ『the line』に辿り着いた。
カケラを繋ぎ合わせた言葉。
それを繋げた詩。ある詩人の存在があった街だからこその一期一会…ディメンションは増えていく。
彼がバスの運転手であることも…
私が雨の日に靴で迷うことも…
全ての事象は詩的であるのかもしれない。
永瀬さんの役割はメッセンジャーかな?
何かと繋がりながら日々は続き、また違う月曜日がやってくる…
静かに過ぎていく日々の、目には見えない躍動が、ジワリと効いてくる良作。ジャームッシュ作品って余計な毒気が少なくて好きだなぁ(*´ω`*)