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パターソンのsssのネタバレレビュー・内容・結末

パターソン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


パターソンは
日々のルーティンに忠実な男
同じ時間に起き、
同じシリアルを食べ、
時刻表に沿ってバスを走らせ、
犬の散歩がてらバーで一杯のビールを飲む
その繰り返しだ

そして平凡な毎日の中で
ふと浮かんだ言葉を詩にしていく生活

雨にも負けずの宮沢賢治みたいな
我ただ足るを知る的な男だと


一方で、彼女は
日々の中に新鮮さを取り入れたい女

カーテンを自作してみたり、
ギターを始めてみたり、
カップケーキを作ってマーケットで売ってみたり、
平凡な日常をフレッシュにしようと試みる女だ

まったく噛み合わなそうな2人なのだが
とてもバランスが取れていて仲が良い


この映画は特に何も起こらない(ように見える)ので
平凡な日常を描いた平凡な映画、と言ってしまえばそれまでなのだが、なんとも心地良く、詩的な映画だ。

毎日は少しずつ変化していて、そのささやかな違いを生きていくという。
ポスターのデザインがそのささやかな違いを表していてとても良いデザインだ。

そしてラストに起こる事件は、パターソンにとって重大で、不条理な悲劇なのに、彼は泣き叫んだりせず、お前なんて嫌いだ、とボソっていうくらいに留まっている。

そしてその絶望から這い上がり、
映画は終わりとなる。

終わりなき日常の中にも色んな変化があり、事件が起こるものだ。

日々を忙しく生きてる人
インスタの事ばかり考えてる人に
ぜひみて欲しい

日常って悪くねーぞ
sss

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