滝和也

パターソンの滝和也のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.8
考えるな、感じろ!
どこかの武闘家が語った
名文句が頭をよぎる…

同じ一日など、ない…

「パターソン」

ニュージャージー州、パターソンの街に暮らす優しきパターソンさんの1週間を切り取ったスケッチであり、詩であり、俳句であり、落語であると言う不思議な余韻を与えてくれる作品ですね。

ジム・ジャームッシュが新進気鋭の作家として世に認められたのは30年も前の事になります。当時の映画好きな大学生に流行していたものです。当時のパーマネント・バケーションからミステリー・トレインまでを私も見ています。その優しさ溢れた、どこか惚けたような、クスッとする作風に魅了されていましたし、ミステリー・トレインには日本人俳優が起用され話題になったものです。

そのスケッチの様な作品に色をつけているのは、詩人でもあるパターソンの感受性、引いては監督の感受性でしょう。毎日の出会いや会話、その中に生まれる気付きや可笑しみが毎日を彩り、変化が生まれる。それが悲しみですら、日常を変える彩りとなっています。まるで落語や俳句の様に日常を描きながらも、楽しみを生み出す繊細な感受性がそこにあります。

その中でも、無邪気な奥さんの存在はともすれば何もない彼の生活を優しく変化させていく。ちょっとお料理は…だけどそれも一興でしょう。優しく綺麗だし…

どこか、毎日とはあなた次第なんですよと言われている気がして、妻に感謝したくなりました(^^) 前半かなり退屈なんですが、金曜日のあたりまで様子見ましょう。感じられるはずですよ(^^)

追伸 永瀬正敏はデビューから見ている俳優さんで、とても好きです。(幼馴染にそっくりな奴がいたからでもありますが。)ミステリー・トレイン以来の出演はまるで天使の如き存在でした(笑)あの方、実在してたんですかね(^^)
滝和也

滝和也