あくとる

パターソンのあくとるのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
果てしなく素朴な味付けなのに、
見終わるとしっかり満足感がある。
巨匠ジム・ジャームッシュの職人芸。

何ともないような普通の男、
パターソンの一週間(ただし美人な奥さん持ち)。
彼はバスの運転手を務め、乗客の話に耳を傾け少し微笑む。
帰宅後は犬の散歩に行き、馴染みのバーに寄る。
パターソンという町で市井の人々と触れ合い、
人に聞かせるわけでもない詩をしたためる。
それだけの毎日。
何ともない地味な田舎の生活の繰り返しなはずなのに、
なぜこんなにも素敵に感じ、心をつかまれてしまうのか。 

ひたすらアダム・ドライバー(とブルドックのマーヴィン)に萌える。 
パターソンは常に感謝の言葉をしっかり口にするのが素敵で、
彼の誠実な人柄が端的に表現されている。
個性的でありながら実在感を持つパターソンの人々。  
べたべたな温かいやり取りなど無いのに、
しっかりとした温もりが心に残る。

なんといってもメソッドマンの登場は嬉しかった。
彼のクールな声や振る舞いはいまだに衰えず、
溢れるスター性を改めて認識。