おーたむ

パターソンのおーたむのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
5.0
評判の良さを聞いていたので鑑賞。
序盤はこれが面白くなるのかなと見ていたのですが、中盤あたりから、ちょっとこれは凄いんでは…と思いはじめ、見終えた時には深い感動に浸ってました。
個人的には、今年自分が観た映画の中でベストと言える作品です。

最初に引っ掛かってきたのは、パターソンがコインランドリーでラッパーに出会う場面で、ようやくここで本作が詩の映画なのだと気づきました。
詩人の少女に出会うあたりにはもう、序盤ありふれたように見えていたパターソンの日常が、その全てに美しさを湛える素晴らしいものに見えてきて。
最後に出会う日本人との会話もまさに、日常と詩についての本質を表現していたと思うし、白紙のページから始まるところで終わる終わり方には、物語後への無限の広がりを感じました。
なんてことないし、それゆえ淡々としたトーンが崩れない作品ですが、しかし、なんてことない日常のすべてが、詩の種、すなわち美しさを内包しているのだという気づきを与えてくれる作品です。
新たな価値観をもたらしてくれる作品との出会いは、映画鑑賞の醍醐味ですね。
嬉しいです。

しかし、こういう作品に共鳴する感性が自分にもあるんだなあと、驚きました。
パターソンの日々のルーティーンが、まるで韻を踏んでるように感じるなんて。
私にも詩心があるのかしら。