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パターソンのasa洋画のネタバレレビュー・内容・結末

パターソン(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

パターソンという街に住む
パターソンという名前の
主人公が過ごす1週間の物語。

変化のない日常 繰り返しの毎日。
特別なことは起こらない 幸か不幸か。
いつも通りの1日が今日も始まる。

この作品はテンプレートのような
何も起こらない、変わらない日常を
優しく肯定してくれているように感じる。
愛する人がいて、愛してくれる人がいて
同じ時が過ぎていくことの幸せが
どれだけ愛しいものか 教えてくれた。

作中で主人公の綴る詩も
身近な情報から描かれており、
詩がこんなにも心に響いたのは
初めての経験だった。
自分の生きる小さな世界を
スポットライトを当てて
照らしているように思えた。

パターソンにとっての幸せは
この小さく狭いパターソンという
自分と同じ名前の街の中で
妻と犬、仕事に 趣味の詩を綴る
毎日で充分なんだろう。
趣味じゃないインテリアや
口に合わない食事も、
夫婦が仲良くする時に限って
うなるペットの犬も
バーで飲む一杯のビールも
彼にとってすべて愛しいものたち。

その中でも変わっていくものは
きっとある。その変化もいずれまた
時間が経てば変わらないものに
変わっていく。

これまで綴り続けた言葉を失った時
彼はまたこれから新しい言葉を
見つけていくのだと思う。
愛するパターソンの中で。



まさに “切り取った日常”と言える
平和な内容です。
マンネリした毎日をつまらなく
感じている方におすすめです!
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