LoveAnimal14

パターソンのLoveAnimal14のネタバレレビュー・内容・結末

パターソン(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

朝、目覚ましなしで起きて、ワイフにキス。フレークを食べ職場までは徒歩。ほんの少し詩を書きバスを走らせる。パターソンの仕事はバスの運転手。仕事を終え自宅に戻りワイフの話に耳を傾け、それからフレンチブルのマーヴィンの散歩に出て、行きつけのバーに立ち寄る。翌朝、また目覚ましなしで起きて…当たり前のように同じような1日が始まる。

なんとまあ、淡々とした映画でしょう。だけどすごく心地よい。同じような毎日のようでいて実はちっちゃなドラマは必ず起こるもの。そのことをどのように受けとめてどのように過ごすかは、人それぞれなのでしょうけどね。でも、そんなに大きく変わらない日常って大切なんだよって…あらためて教えてもらったような気がします。

パターソンは基本いつも冷静で喜怒哀楽が小川のせせらぎのよう。バスの乗客の話にほんの少し微笑み、やたらと不思議ちゃんなワイフのふるまいにも微笑み、大切なポエムノートをマーヴィンに台無しにされても表だって怒ることはない。ただ、シークレット・パイはきっと相当不味かったのか水をめちゃくちゃ飲んでましたね💦だけどワイフを気遣って、絶対不味いとは言わない。ワイフもギター初心者からカントリーシンガーを目指そうとするなかなかのツワモノだけど、パターソンのよき理解者ではあるし…なんだか素敵な夫婦だなって思いました。

基本、うちは夕食は娘が作ってくれるのですが…1ヶ月くらい前のある日の夕方。たまたま仕事が早く終わったからと、嫁が「今日は私が作るよ、スペシャル・カレーをね。」とはりきっていました。うちの嫁は料理というものに全く探究心のない人です。食べれたらいいやん?みたいなタイプです。嫌な予感の中、スペシャル・カレーの登場です。一口食べてみると…甘い。いや、甘いとかいうレベルじゃない。てか、カレーじゃない。まるで、おはぎ💦ボクは普段からばあちゃんの教えで食べ物には文句を言うな!というのを守っています。だから今までも文句を言ってきたことはないのですが、このときばかりはさすがに「なに、これ?」と言ってしまいました。すると嫁は「あ〜、上等なハチミツをもらってたから奮発しちゃったよ」と一言。「もう、めちゃくちゃいっぱい入れたもんね!」と笑顔。いや、ハウスバーモントカレーはりんごとハチミツとろ〜り溶けてる…が売りだけど、このスペシャル・カレーはもはやハチミツの味しかしないんですけど💦カレーの味はほとんどしないから、ハチミツカレーでもなく…名前をつけるとしたらハチミツライスなんですけど💦想像してみてください、ハチミツライス。ヤバイですよ😱次の日、ボクは無意識にセブンに行き、おもむろにカレーを買っていました💦この不思議ちゃんワイフのシークレット・パイで、つい思い出しちゃって(笑)

個人的にちょっとときめいたシーンはランドリーのくだりで、メソッドマンがラップをしていた場面。90年代ヒップホップ大好物のボクにとってはヒーローの一人。「ウータンクラン」の主要メンバーです。あんなカタチで出演してるなんて知らなかったので、ボクの胸の中のターンテーブルが喜びのスクラッチをプレイしました♬

フレンチブルのマーヴィンが、いつも傾いていた郵便受けの原因だったんですね。あのシーンだけで、ご飯3杯食べれそうです(笑)あ!ハチミツライスはゴメンですけどね💦

「ミステリー・トレイン」以来の永瀬正敏にもビックリ!パターソンと詩について語り合うシーンがなんとも言えず素敵でした。

白紙のページに広がる可能性もあると信じてレビューを書いてみようと思うのだけれど、いつだってボクのレビューはレインコートを着てシャワーを浴びるようなものになってしまう。

なんだか着地を間違えました💦(笑)
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