ワイカ

パターソンのワイカのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.8
 米国のパターソンという街に住む詩作が趣味のバス運転手パターソンの何気ない1週間を描いた映画。

 静かな日常(と言っても小さな事件はそれなりに起こるけど)を淡々と描いているだけで、一歩間違えれば退屈極まりない映画になりそうだけど、そうなってはいないのは監督の手腕か。全体に漂う雰囲気が心地よく、最後まで飽きずに観れました。

 これが成り立つのは主演のアダム・ドライバーの雰囲気もあるのかな。こういう映画が実によく合う。スターウォーズはやっぱりミスキャストだったんだと実感。

 奥さんのかわいさや、部屋の内装がどんどん白黒のデザインに染まってく様子、犬やバーのマスター、バス会社の愚痴っぽい同僚なども良い味つけになってたと思う。あと双子がやたらたくさん出てくるのも、何かを暗示してて気になった。

 詩に対する感性はないのでなんとも言えないけど、終始詠まれる詩もなんとなく良かった。映画全体が詩みたいだった。

 最後の永瀬正敏は、この人である必然性があったかどうかは別として、好きな俳優さんなので久々に、しかも米映画で観れて嬉しかった。

 心静かに1日を終えたい夜にオススメしたい一本かも知れません。コロナで平凡な日常が貴重に思える今観ると、さらにじんわりくる味わい深い作品。
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