タカハラ

パターソンのタカハラのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
日常に存在するささやかな発見を促してくれる映画。毎日同じ事を繰り返す=退屈な日常、ではない。という事が、主人公の1週間を使って丁寧に描かれている。
変わるものと変わらないもの。
毎日同じルーティンで過ごしていても、違うものを見て、感じて、考える事で日常の中には面白い発見があるし、繰り返す事で気づく大切さもある。
反復、韻を踏む。映画のテーマとそれを描く手法までスマート。計算され尽くした作品。
繊細な出汁を感覚を研ぎ澄まして味わいたい時にオススメ。

●良かった点
アダム・ドライバーの繊細な演技。
繰り返す日常の中で起こる繊細な変化を魅力的に演じた彼なくしては成り立たないと思えるほどの存在感。表情変化も少なく派手さはないけれど、なぜか目を惹くという不思議。彼は新世代のスターなのかな、と思ったり。

主人公パターソンと奥さん、犬。この3人(2人と1匹)のバランスの魅力。犬の動きが癒される。

ファッション、小物、マッチ箱などのデザインのカッコよさ。マッチ箱かわいい。

何も起こらない日常(実際には少しずつ変化があるけれど)を魅力的な演出で見せるジム・ジャームッシュ巧さ、凄さ。
音楽もgood。耳に残る。

●悪かった点
派手なアクションやどんでん返しなど、濃い味を求めている時には合わないかな、
アダム・ドライバーがどうしても苦手という人には向かないかも、
タカハラ

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