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ジェイソン・ボーンのAKのレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
4.5
前三部作が「情報の海で漂流するアイデンティティ不安」(by Mark Seltzer)が生み出したものだとすれば、10年経って作られた新章は、まさにその情報の海が意志を持ち学び(ソラリスの海にはならず)システム化され現実をハックするものとしてポスト・グーグル/ポスト・SNS/ポスト・スノーデンを意識した作品となっていた。最高。

なによりまずアクション映画として控えめに言って面白すぎる。このカメラワークが苦手な人もいるだろうけど、俺は大好き。ポール・グリーングラスは天才。

配役も良い。とりわけ旧世代を象徴するトミー・リー・ジョーンズと、台頭する新世代としてのアリシア・ヴィキャンデルなんて、もう完璧。とりわけヴィキャンデルは『エクス・マキナ』を鑑賞している人間からしたら「あれ、こいつ正体エヴァじゃね?」と妄想するレベル。
(というか、もしかしてこのディキャンベル補正がでかいかも笑)

旧三部作をリアルタイム鑑賞した層からは評判が悪いけど、ポストSNS時代を生きてる俺からしたら、いやもうどう考えてもこれがシリーズ最高作。
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