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ジェイソン・ボーンのEDDIEのレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
3.6
信頼と裏切り、トレッドストーン作戦により生み出された最強戦士ジェイソン・ボーンに隠された目的とは。マット・デイモン復帰作にして初期三部作の世界観が引き継がれているものの、新鮮味は薄くもはやシリーズ継続の必要性が感じられない。

ジェイソン・ボーンシリーズ、フォロワーの多くの方々が亡きものにしている『ボーン・レガシー』も含め5作品完走しました。さすがにドラマの『トレッドストーン』まで観る時間的余裕と身体的余裕はありません。
今回良かった点と悪かった点がとてもわかりやすいですね。
まずは製作陣が一新した『ボーン・レガシー』から一変、ポール・グリーン・グラスが監督・脚本・製作で復帰。クリストファー・ラウズも共同脚本として参画しており、さすが編集は3作目の仕様と変わらず巧みで緊張感が続くのは「これぞボーンシリーズだ!」と帰ってきた感は強かったですね。
新キャストのヘザー・リーを演じたアリシア・ヴィキャンデルも贔屓目もありますが、とても良かったです。彼女の美貌は私の中で満点なので、アリシアが画面に映るだけでもかなり気持ちが上がります。
終盤のカーチェイスなどアクションはレベルアップしているように感じられました。相変わらず音楽の使い方も巧みなので緊張感保って観られるのは素晴らしいですね。

一方で悪かった点は冒頭にも書いた新鮮味の薄さ。初期三部作と改めて地続きになっており、世界観はそのままではありますが、じゃあ新たに新章としてやる必要があるのか?と問われるとイマイチそれは感じられません。
ボーンがまた新たな記憶を蘇らせるっていうキテレツな設定になっていて、結局自分探しとか二の次でなんだか目的がよくわからないシリーズ5作目でした。
またもや取ってつけたような“アイアンハンド計画”なんてものも出てきて、なんでも計画ってつけりゃいいってもんじゃないでしょうがと。

ニッキーの扱いもかなり残念なもので、シリーズのファンの方はとても意気消沈したんじゃないでしょうか。そもそもボーンとニッキーの恋の要素はどこへやらです。

同じスパイアクションでいえばMIシリーズが一番に思い浮かびますが、やはりシリーズを重ねるごとに新鮮味やスケールアップを感じさせるのであちらはあちらで本当に凄いなと思います。
まぁ本作は純粋にボーンも年取ったって感じてしまうわけで、トレッドストーン計画で生み出された完全無欠の最強スパイなのに今回満身創痍になったりと衰えを感じざるを得ませんでしたね。MIのトムさんは年齢の衰えを感じさせないので本当に恐ろしいものです。

総じてアクション映画としてはスケールアップしており楽しめますが、シリーズファンからするとボーンにあまり感情移入するようなドラマ性に乏しく満足できる内容ではないかなぁって感覚を覚えました。

※2020年自宅鑑賞182本目
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