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DARK STAR/H・R・ギーガーの世界のこどものレビュー・感想・評価

3.7
「闇は悪では無い」
いつの間にか闇と悪をごっちゃにしていた自分に気が付いた。
ギーガーの作品に対する評価はだいたい二分しているように思う。強烈に惹かれる者、強烈に拒絶する者がそれぞれいるのだ。ギーガーの作品を「無」で鑑賞することは、多分出来ない。彼の作品は、誰もが根底に持つ闇を私たちにまざまざと見せつけてくる。ただ「提示」してくるのだ。自分の中に存在する闇とチューニングが合えば心地いい。自らの闇を見せつけられ、それを認めたくないと拒絶する人もいるだろう。ギーガーの作品は、それ自体が見る者の魂を映し出す鏡になる。
来世など苦痛だ、と話すギーガーが印象的だった。現世で魂をすっかり描き切ってしまったのだろう。
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