ヴィムヴェンダース総指揮。ダンスを撮るの上手いよなぁ。ピナの時も思ったけど。
アルゼンチンタンゴの伝説的ペアを描いたドキュメンタリー。ペアを組み、そこから25年間共に踊り続け、ペアを解消し、現在に至るまでを描いている。
見たことのない類いのドキュメンタリーだった。マリア・フアンの証言を基に、彼女達の出会い・喧嘩・成功・別れの思い出を、現在のトップダンサーが踊りで表現する。
過度な演出や言語も要らず、ほぼ踊りだけで彼女たちの思い出を語る演出自体が、素晴らしかった。特に、雨に唄えばを見た後のタンゴはマリアの素敵な思い出って感じで美しかったな。
ダンスって定点カメラで見ることが多いから、こんなにも足と全体像のカット割りがバランスいいのスンバラしいと思う。どっちもの凄さがわかる。
向いていること と やりたいことの乖離。
皮肉にも、タンゴに情熱を注ぎ続けたファンは最終的に自分のめちゃくちゃ合う1人しかいないペアのマリアを捨て家庭をとる。
元々タンゴではなくフアンに興味があり、家庭を持つことを夢みたマリアは、タンゴに一生を捧げ、生涯1人となる。
タンゴをより愛しているのはマリアの方なのじゃないか??って思ってしまったよ。タンゴと共に生き、タンゴと共に死ぬ。と彼女は言ったけど、それを一生をかけて体現していた。
本当にフアンひどくない??ってのと、最後の2人が手を繋いで踊り終わったシーンだけ映す演出やべぇなって思ったよ。意図して解消後の2人の踊りはみせないところとか。