菩薩

高速ヴァンパイアの菩薩のレビュー・感想・評価

高速ヴァンパイア(1982年製作の映画)
3.1
低速でも中速でも無く高速である。まして中卒でも無く高卒でも無ければ、旅行鞄に入って「はい〜」と戯ける小さなエスパーが主人公なわけでも無い、なんたって主演はあのイジー・メンツェルである。おそらくこの題名を聞けば多くの者が瞬間的に生き血を吸い取る吸血鬼を思い浮かべるであろう、少なくとも自分はそうであった。しかしこの映画は「チェコ」の映画である、そんな一筋縄ではいかない。では何故「高速」と「ヴァンパイア」と言う、本来出会うはずがない単語が河崎実諸作品的な奇跡の遭遇を果たしたかと言えば、ドライバーの生き血を吸い、それを燃料にして「高速」で走る「ヴァンパイア」レーシングカーを巡るカルトホラーだからだ。と、こう書くとある種の映画を好む方々はワクワクするだろうが、正直まったく面白くない。いや、本当にまったく面白くない。途中例のヴァンパイアカーのボンネットを開けると、クローネンバーグ的にグチャグチャするシーンがあるものの、単なる夢オチ。そして何故か無駄におっぱいが二回出てくるが、正直どうでも良い。とりあえずそのレーシングカーの内装を手がけたのがかのシュヴァンクマイエルで、劇中でその車を開発した会社の社長(かな?なんかマダムって呼ばれるババァ)が何故かシュヴァンクマイエルの短編を観ているが、別にシュヴァンクマイエル的な何かが起こる訳でも無く、なんだこの無駄なシュヴァンクマイエルと友達だアピール…。正直この映画を観るのを楽しみに今日1日仕事を頑張った身としては、鑑賞直後の今、怒りと物足りなさで完全に血の気が引いている…。ジャケ&題名詐欺甚だしいぜまったく…。ガッカリである。
菩薩

菩薩