◎窪田正孝のサイコ演技が堪能できる
表向きは学園スターながら内に闇を抱えたレイ(藤ヶ谷太輔)に狂喜じみた執着を抱くマキオ(窪田正孝)が彼とのシンクロを望むあまり狂ってく話。
ドラマ→映画の展開で、ドラマでは、孤独を抱えたレイが、キラ(飯豊まりえ)によって心を取り戻す過程を描く王道のラブストーリー仕立て。
映画では3人のトラウマが浮き彫りになり、レイの弟の自殺の真相にも迫るサイコサスペンス要素も出てくる。
原作は、惣領冬実の少女マンガ。芸術美を感じる繊細で卓越した画力の先生の世界観が、美しく映像化されていて、光の使い方や画面構成とか、とにかく終始とても絵がキレイ。
惣領冬実先生は後に青年誌に活躍の場を移してるように、少女マンガらしからぬダークな人間ドラマをお得意としてらっしゃいます。
フィルマークスの評価点通り、映画としてはもう一歩な作品で、私も序盤10分くらいで録画消去しようかなと思ったんですが、とにかく窪田正孝さまの神々しい美しさにノックアウトされて最後まで見てしまいました。
静かに嫉妬に狂うさま、正気を失うさま、死にかけて喜ぶさま…すべてが狂喜に満ちて美しかったです。
マキオ(窪田正孝)主演のスピンオフ映画にした方がひとつの作品として成り立ったかもしれない…。
おそらくフィルマークスやってる方でこの作品みる方はほとんどいないと思うので以下ネタバレ含んで書きますが、窪田くんをダブル主演と謳うなら、最後は彼の行く末まで描ききって欲しかったですね。
原作では、ラスト、彼は精神崩壊して精神病棟送りになり、レイのことを忘れてしまう設定なんだとか。そこを映画のオチにしたほうがサイコサスペンスドラマとして完成度高くなったんじゃないかと。
オススメはしませんが、窪田正孝さんが好きな方は、彼の美しさを存分に堪能できる一作かと!