ダイヤモンド

ジュリエッタのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

ジュリエッタ(2016年製作の映画)
2.5
“元依存症患者がつまずくと_
たった一回の過ちでも致命的になる
何年も忘れていたのに 
あなたを見つけたいと願う過ちを犯した
その愚かな願いが_
新たな人生のもろい土台を突き崩した
私には何もない
あなたがすべて
あなたの不在が 私を破壊していく“

依存が強すぎると、それに執着しすぎて、不幸になる_。

ジュリエッタの夫ショアンは長年病いに苦しむ妻がいるにもかかわらず、女性を求め、ついにはジュリエッタと関係を持つ。
彼女の父も、病臥に伏す妻の介護人と仲睦まじくなる。
共に物事に執着せずに、本来であれば不幸であることを乗り越えていく。
しかしジュリエッタは異なる。
夫が事故死した後、一人娘アンティアに執着していく。
「彼女は あなたのいない道を歩み出したのです」
親の心子知らず。父の事故死の原因は母にあり、自分にもあると罪の意識に悩んだアンティアは全てを捨てて、失踪する。

十数年経って、ジュリエッタもようやく新しい人生を踏み出そうとした矢先、たった一回のつまずきで全てが台無しになる。
(それでも最後は、和解の道が開かれて、終わる)

アルモドヴァルによる、母と娘の縁。
いつものように、色彩豊かで、美しい。
でも今回は、どこか淋しさも感じさせるトーンでした。

家政婦役のマリアン。どっかで見たことあるなって、ずっと思っていたら、ロッシ・デ・パルマじゃないですか。お懐かしい〜。
 
※アンティアが失踪してしまう原因。分かるんだけど、若干弱い。多分マンローの原作ではもっと、彼女の苦悩が描かれているのでしょう。